JRバス東北(2型・3型)

岩手県内のJRバスは1988年のJRバス発足時には7ヶ所の営業所(久慈・二戸・岩手・盛岡・岩泉・遠野・一ノ関)と、岩手営業所の下部組織の葛巻支所がありました。
導入直後からの高速バス路線の拡充などにより盛岡・久慈の営業所はいずれも支店へと組織改正されましたが、一般路線は利用状況が芳しくないローカル路線がほとんどであり、当時のJRバスは自治体の補助対象外であったため、過疎化の進行・マイカーの普及によりさらに状況が悪化したことから一部を除いて地元事業者や自治体への移管されるようになりました。

その流れの中で岩泉営業所・葛巻支所は2003年3月、遠野営業所は2004年3月に廃止されたほか、岩手営業所も盛岡支店の下部組織の岩手支所へ変更のあと2004年3月で廃止となりました。また、一関営業所も路線廃止後も貸切のみの営業でしたが2003年11月に、久慈支店も営業所への変更後、2008年3月の一般路線・貸切の廃止を経て2009年3月に営業所が廃止されました。

現在では一般路線は盛岡支店による平庭高原線(盛岡駅〜久慈駅)・早坂高原線(盛岡駅〜龍泉洞前)・二戸営業所による「スワロー号」(二戸駅〜久慈駅)・二戸線(二戸駅〜浄法寺駅)・軽米線(二戸駅〜軽米病院)・小鳥谷線(一戸駅〜葛巻駅)および二戸市・一戸町・葛巻町内の一部路線のみとなりました。

JRバス東北で使用される車両では厳しい状況を反映して、路線車では1997年度から導入されている中古車(通称・リニューアル車)が導入されたこともありますが、現在では中型車を中心とした自社導入車が主力となっています。高速車は新車を導入していますが標準化やコストダウンをはかっています。
ここでは2型・3型(中型車)を紹介します。(岩手県以外の配置車両の写真もあります)

※二戸営業所に配置歴のある車両については「JRバス東北・二戸営業所の車両たち」を参照ください。

※今回の更新(2017.8.15)で追加した写真:331-4071

331-9003(一ノ関)
いすゞK-CCM410(川崎・1979)
1990.5.3 一ノ関営業所

ツーマン車両の置換えのために投入された中型車は、いすゞがほとんどでした。一ノ関営業所の車両は、一ノ関〜岩手長島〜前沢,前沢〜柴宿で使用されていましたが、現在は東磐交通に移管されました。
331-4071(久慈)
いすゞP-LR312J(川崎・1984)
1991.3.26 久慈駅

モデルチェンジにより導入されたLRの最初のグループは久慈の2両のみでした。この車両を含めて同時期に導入された路線車は非冷房です。
331-9406(一関)
いすゞP-LR312J(IK・1990)
1990.5.3 一関営業所

JRバス東北発足後に10両が導入されました。現在は全廃となっていますが、遠野に在籍していた9405は住田交運へ移籍しました。
331-1401(象潟)
いすゞU-LR332J(IK・1991)
1993.7.4 象潟営業所

1991年に1両のみ導入された車両は、排ガス規制変更により型式が変わった以外は1990年に導入された車両とは大きな違いはありません。象潟営業所廃止後は久慈へ移動しました。
P331-00510(青森)
いすゞKK-LR233J1(いすゞ・2000)
2005.8.12 青森駅前

エルガミオの初期導入車の1両です。車番付与方法が変更されたことによりワンステップ車は「P」の表記となりました。

(上)P331-02532(岩手支所)
2002.9.29 沼宮内駅

(下)P331-02533(久慈)
2007.8.12 久慈営業所

いすゞKK-LR233J1(いすゞ・2002)

2002年度に導入された車両では側面の「ワンステップバス」の表記がありません。
337-7003(福島)
日野RL320(日野・1977)
1991.1.10 福島支店

閑散路線のワンマン化のために導入された車両です。
(廃車後の写真です)


(上)337-7414(岩泉)
2002.10.5 岩泉営業所

(中)337-7418(遠野)
2003.4.13 遠野営業所

(下)宮交仙南バス宮城200か108(←337-7428・角田)
2001.3.19 宮交仙南バス角田営業所

日野P-RJ172BA(日野・1988)

JRバス東北発足時に久慈・岩手・岩泉・遠野・角田を中心に28両が配属されましたが、現在では全廃となっています。
末期の頃には正面の動輪マークをJRマークに変更した車両や、側面にペイント広告を施された車両、フリー乗降区間で鳴らすメロディ用スピーカを取り付けた車両もありました。
角田に在籍していた7428はJR時代の青色を赤に変更した独自のカラーリングに改め、宮交仙南バスへ移籍しました。
宮交仙南バス宮城200か107(←237-7403・角田)
2001.3.19 宮交仙南バス角田営業所

日野P-RJ170BA(日野・1988)

P-RJ172Bと同時に小国・角田を中心に10両が導入されたP-RJ170BAは、JRバスでも久々に「2型」の導入となりましたが、地方路線の廃止等により現在は全廃となりました。
このうち角田に在籍していた7403のみは宮交仙南バスへ移籍しました。


(上)347-7903(遠野)
1998.7.4 遠野駅

(中)347-7909(角田)
1989.11.19 角田営業所

(下)ファミリー観光バス岩手200か655
2004.7.4 ファミリー観光バス紫波営業所

日野P-RR172BA(日野・1988)

こちらもJRバス発足時に導入された車両です。
主に中規模の貸切に使用されていましたが、久慈・古川では路線運用、遠野では定期観光で使用されていました。
現在は全廃されていますが、1両のみファミリー観光バスへ移籍しています。
337-1403(岩泉)
日野U-RJ3HJAA(日野・1991)
2002.10.6 岩泉営業所

1991年に導入された車両からはつかみ棒の増設、窓柱の降車ボタンの取り付け位置を下げるといった高齢者に配慮した対応をしています。
この車両は当初福島支店の所属で、久慈を経て岩泉に転入しましたが、岩泉営業所廃止後再び福島支店へ転属しました
P337-06532(福島)
日野PA-KR234J1改(JBUS・2006)
2009.4.30 福島駅東口

いすゞエルガミオのOEM車種のレインボーIIは2006年度に3両が導入され、青森・二戸に配属されました。一般路線用車両では初めてLED表示器が装備されています。
この車両は2007年度に青森支店から福島支店に転属となった車両です。