高速バス「アーバン」の誕生から現在まで

岩手県の県庁所在地盛岡と東北一の都市仙台を結ぶ高速バス「アーバン」は1989年9月21日に開業しました。
青森から九州まで高速道路の幹線が一本につながった頃でもあり、昼行・夜行を問わず全国的な高速バス新設が相次いだこの当時、低廉な料金で利用できる高速バスは幅広い層に人気を集めた系統も多かったです。
「アーバン」も東北新幹線と競合する運転区間ではあったものの、東北線の普通列車乗り継ぎに比べると速く、かつ安価に行けること等から学生などに人気を博し、開業当初4往復だけであったのが現在では平日15往復・週末20往復が運行されるようになりました。
そして2009年、開業から20年の節目の年を迎えました。
盛岡〜仙台において公共機関では新幹線に次ぐ存在といえる「アーバン号」の開業から現在までの動きと、使用された車両の写真を紹介します。

<沿革>
○1989年9月21日
JRバス東北・岩手県交通・宮城交通・東日本急行の4社各1往復で開業しました。
同年開業した他の高速バス同様起終点側双方の事業者による共同運行ですが、1960年代に国鉄バス(当時)と東日本急行により運行されていた国道4号線経由のバス(仙台盛岡急行線)がルーツとされています。仙台盛岡急行線はマイカーの増加により定時性が確保できなくなったことや東北本線の電化により利用客が減少したことから、1975年に中尊寺以北は廃止されました。
また、1987年に仙台港地区で開催された「’87未来の東北博覧会」の開催期間中、東日本急行では会員バスの形態ながら盛岡〜仙台〜東北博会場のバスを運行していましたが、仙台〜盛岡の復活を意識してか車体には「高速バス」の記載もありました。

開業当時のルートは以下のとおりです。
仙台駅前(宮交高速バス案内所前)〜県庁市役所前〜(泉IC)〜(東北自動車道)〜(盛岡IC)〜盛岡駅前(旭橋)〜盛岡バスセンター
※休憩は中尊寺PA

700 900 1400 1730 仙台駅前 940 1140 1640 1940
705 905 1405 1735 県庁市役所前 935 1135 1635 1935
930 1130 1630 2000 盛岡駅前(旭橋) 710 910 1405 1705
940 1140 1640 2010 盛岡バスセンター 700 900 1400 1700

開業当時のチラシのコピーはこちらを参照ください(別ウィンドウで開きます) → 協力:村民さん(「村民」バスのページ

○1990年9月22日
各社1往復増発とともに岩手県北バスが1往復運行に参入し5社共同の運行体制となりました。乗車券は共通でしたが、運行上は事実上3つのグループに大別され、着地での休憩もグループ内で行っています。(JRのグループ/宮城交通・岩手県交通のグループ/東日本急行・岩手県北バスのグループ)
岩手県北バスは盛岡営業所の担当でしたが、1993年からは新設された盛岡営業所南車庫(のちに盛岡南営業所)へ移管されています。

運行ルートも、県庁市役所前〜泉ICのルートから広瀬通一番町〜仙台宮城ICへのルートに改められました。

仙台駅前 730 900 1000 1100 1300 1400 1530 1730 1900
広瀬通一番町 733 903 1003 1103 1303 1403 1533 1733 1903
盛岡駅前(旭橋) 1000 1130 1230 1330 1530 1630 1800 2000 2130
盛岡バスセンター 1010 1140 1240 1340 1540 1640 1810 2010 2140
盛岡バスセンター 630 730 830 930 1030 1330 1530 1730 1830
盛岡駅前(旭橋) 640 740 840 940 1040 1340 1540 1740 1840
広瀬通一番町 907 1007 1107 1207 1307 1607 1807 2007 2107
仙台駅前 910 1010 1110 1210 1310 1610 1810 2010 2110

○1995年7月1日
各社1往復増発により14往復となりました。(岩手県北バス:2往復・他の4事業者:3往復)

仙台駅前 700 805 900 1000 この間
毎時00分発
1500 1605 1700 1745 1830 1915
広瀬通一番町 703 808 903 1003 1503 1608 1703 1748 1833 1918
盛岡駅前(旭橋) 930 1035 1130 1230 1730 1835 1930 2015 2100 2145
盛岡バスセンター 940 1045 1140 1240 1740 1845 1940 2025 2110 2155
盛岡バスセンター 630 730 830 930 この間
毎時30分発
1530 1630 1730 1815 1900
盛岡駅前(旭橋) 640 740 840 940 1540 1640 1740 1825 1910
広瀬通一番町 907 1007 1107 1207 1807 1907 2007 2052 2137
仙台駅前 910 1010 1110 1210 1810 1910 2010 2055 2140

○1997年4月1日
消費税率の引き上げのため運賃改定が行われました(片道2,800円→2,850円)

○2000年4月1日
盛岡駅西地区の地域交流センタービル「マリオス」前のバスターミナルの整備に伴い、盛岡駅前(旭橋)から盛岡駅西口へと変更。盛岡ICまでのルートも舘坂橋交差点経由から稲荷町経由へと変更されました。

○2000年12月1日
盛岡発初発便と仙台発最終便の増発により平日15往復となったほか、金・土・日曜・祝日には各事業者1往復の臨時便が設定され20往復となりました。平日の増発分は岩手県北バスの担当となり、この便に限り毎年4月に行われる担当会社のローテーションには含まれません。
また、このときから往復割引乗車券が設定されました(5,000円)

仙台駅前 700 805 900 1000 この間
毎時00分発
1500 1605 1700 1745 1830 1915 2000
広瀬通一番町 703 808 903 1003 1503 1608 1703 1748 1833 1918 2003
盛岡駅前(旭橋) 930 1035 1130 1230 1730 1835 1930 2015 2100 2145 2230
盛岡バスセンター 940 1045 1140 1240 1740 1845 1940 2025 2110 2155 2240
盛岡バスセンター 545 630 730 830 930 この間
毎時30分発
1530 1630 1730 1815 1900
盛岡駅前(旭橋) 555 640 740 840 940 1540 1640 1740 1825 1910
広瀬通一番町 822 907 1007 1107 1207 1807 1907 2007 2052 2137
仙台駅前 825 910 1010 1110 1210 1810 1910 2010 2055 2140

○200*年*月*日
盛岡駅西地区での道路整備により盛岡駅西口〜稲荷町のルートを夕顔瀬橋交差点経由から直接太田橋交差点へ抜けるルートへ変更。これにより所要時間が3分短縮されました。

<車両>
開業時から基本的には11列トイレなしのハイデッカーが使用されています。片道約200kmに及ぶ運用でもあることから、比較的新しい車両が使用されています。また、一部の事業者では「アーバン号」限定で運用しています。

下記各リンクをクリックすると各社所属車の写真のページへ進みます。

JRバス東北 岩手県交通 岩手県北バス 宮城交通 東日本急行