架線の下を走る区間運転気動車

国鉄末期は地方都市圏でのフリークエンスサービスが導入されました。しかしながら、交流電化されている東北地方では交流電車は高価なことや、ED75牽引の客車列車が多く運転されていたこともあって、1985年3月のダイヤ改正でほぼ全列車電車化された仙台・福島・いわき地区を除いてはこれらのフリークエンスサービスには気動車が使用されていました。
1993年度の秋田地区を皮切りに701系電車の導入が行われたことにより、客車のみならずこれらの気動車も置き換えられました。



秋田地区では奥羽線横手〜秋田〜八郎潟,羽越線新屋〜秋田で区間運転の気動車が運転されていました。元急行用のキハ58系も区間運転に使用されましたが、冷房車の在籍が多かったこともあり、普通列車に使用される機会も多かったです。



山形地区では奥羽線赤湯〜山形〜楯岡(現・村山)で区間運転の気動車が運転されていました。キハ22の中にはJR発足直前に北海道から転入した車両もあり、北海道配置車の特徴である前面ナンバーが入場までの間見られました。また、秋田地区と同様にキハ58系も普通列車として使用されていましたが、こちらの場合は「月山」間合い運用を除いては主に非冷房車を使用していました。


盛岡地区では東北線北上〜盛岡〜沼宮内(現・IGRいわて銀河鉄道いわて沼宮内),田沢湖線盛岡〜赤渕で区間運転の気動車が運転されていました。主に盛岡のキハ58・52を使用していました。盛岡以南では一ノ関〜盛岡の客車列車とあわせデータイムでも1時間に2本の高頻度運転を行っており、701系化された現在でもほぼ踏襲されています。


盛岡地区では現在でも平日朝のみながら日詰〜盛岡で下り4本、上り1本の区間運転の気動車が見られます。


庄内地区では羽越線鶴岡〜酒田〜吹浦で区間運転の気動車が運転されています。現在では鶴岡〜酒田の一部列車を除いて秋田の701系電車に置き換えられていますが、村上〜間島での交直セクションを通過できる普通列車用の電車がないことから村上〜酒田で運転される列車が気動車で残っています。